赤紫色や茶色のぎざぎざで、触ると周囲の肌より少しへこんでいる妊娠線。
妊娠中、「お母さんになった証」だと言ってくれた担当医のことを思い出しますが、正直、妊娠線を初めて見ると、衝撃を受ける人も多いのではないでしょうか。
妊娠線は、一般的にはつわりが落ち着き、食欲が出てくる安定期ごろ(妊娠6ヶ月)からでき始めると言われています。
それまでそんなに目立たなかったお腹も、安定期に入るころから急に大きくなり始めるため、妊娠線ができやすくなります。

【妊娠線ができる原因】
皮膚は、
① 表皮
② 真皮
③ 皮下組織
と三層に分かれています。
実際に手で触れることのできる表皮は、伸縮性があるためお腹が大きくなってもそれに伴って伸びやすいのですが、②真皮や③皮下組織には限界があり、急激に伸びることができません。
②や③が限界を超えて皮膚が引っ張られると、亀裂が入って妊娠線ができてしまうのです。
②や③の亀裂は再生しないため、一度できてしまった妊娠線は、薄くなっても消えることはありません。
妊娠線といえば、お腹のイメージが強いですが、妊娠線の発生原因に基づくと、お腹以外の箇所でもできてしまう人はできてしまいます。
胸や太ももの内側、おしりなども妊娠線のできやすい箇所ですので、お腹以外のケアも忘れないようにしたいものです。

乾燥肌の人や高齢出産の人は、特に妊娠線ができやすいと言われています。
真皮や皮下組織の伸縮には限界がありますが、肌に水分が多く弾力のある場合は、ない人よりも伸びやすいです。
同じ初産でも、25歳の人と35歳の人の肌質はやはり違ってきますね。
妊娠線予防にクリームがいいとされているように、乾燥肌や高齢出産の人は妊娠線ができやすいですので、特に保湿などケアを念入りに行ってください。

妊娠以前から太りやすい体質で、皮下脂肪の多い人は妊娠線ができやすいと言われています。
皮下脂肪は、弾力性がなく、引っ張られても伸びることができず、避けてしまい、妊娠線へとつながってしまうのです。

また小柄な人でお腹が出やすい人も、妊娠線の可能性が高いです。
もともと小柄な人は骨盤も小さいため、お腹の赤ちゃんは横よりも前へ前へと出てきます。
胎児の成長に伴って、腹囲が大きくなってしまうため、妊娠線が出やすいようです。

筆者もそうでしたが、初産では子宮もお腹の皮膚も固く、あまり伸びないため、とくにケアをしていなくても妊娠線の出ない人は多いようです。
しかし一度お腹の皮膚が伸びてしまうと、二度目はとても伸びやすくなっています。
初産でできなくても、第2子以降で妊娠線ができてしまう人は多いです。

また双子以上の多胎妊娠の方も、単体妊娠の妊婦さんに比べ妊娠線ができやすいです。
筆者の義姉が双胎妊娠でしたが、妊娠7ヶ月目くらいで、もうすでに単体妊娠の臨月くらいのお腹でした。
お腹が単体妊娠より大きくなる分、皮膚は通常以上の負担がかかるようです。